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投稿日:2026年4月27日

中古住宅購入前に確認すべき家の傾きセルフチェック|内覧時の見極めポイント

中古住宅の購入を検討する際、家の傾きは見逃せない重要なチェックポイントです。国土交通省の調査によると、住宅の不具合に関する相談のうち、基礎や地盤に関するものが約15%を占めています。内覧時に自分でできる簡単なチェック方法を知っておくことで、購入後のトラブルを未然に防ぐことができます。本記事では、滋賀県甲賀市を拠点に近畿圏で地盤沈下修正工事を手がける専門業者の視点から、内覧時の見極めポイントを詳しく解説します。

執筆者プロフィール

山口土木

滋賀県甲賀市を拠点に近畿圏で住宅基礎工事を専門に展開する企業です。bDパイル・ブレードパイル施工販売、PUBB工法、SP免震基礎工法など、多様な基礎工事技術を保有しています。地盤沈下修正工事や外構工事も手がけており、住宅の傾き診断から修正まで一貫してサポートしています。地域の地盤特性を熟知した専門スタッフが、確かな技術で安心・安全な住まいづくりをお手伝いします。

中古住宅で家の傾きが発生する主な原因

中古住宅で家の傾きが発生する原因は複数ありますが、そのほとんどが地盤と基礎に関連しています。購入前に原因を理解しておくことで、内覧時の確認ポイントが明確になります。

地盤の不同沈下

最も多い原因が地盤の不同沈下です。軟弱地盤や盛土地、埋立地などでは、建物の重量によって地盤が不均等に沈下することがあります。特に関西エリアでは、琵琶湖周辺や旧河川敷などの低地では注意が必要です。地盤調査が不十分なまま建築された築20年以上の住宅では、経年による沈下が顕在化している可能性があります。

基礎の施工不良や経年劣化

基礎コンクリートの打設不良や鉄筋の配筋不足、養生期間の不足などの施工不良も傾きの原因となります。また、経年によるコンクリートの中性化や鉄筋の腐食により、基礎の強度が低下して傾きが生じることもあります。築年数が古い住宅ほど、基礎の状態確認が重要です。

周辺環境の変化

隣地での大規模な掘削工事や、地下水位の変動、地震による液状化現象なども傾きの原因になります。近年、大型商業施設や集合住宅の建設に伴う周辺地盤への影響も報告されています。

軟弱地盤エリア

特徴:粘土質や腐植土が多い低地、埋立地、旧河川敷など

リスク:長期的な圧密沈下により不同沈下が発生しやすい

盛土地

特徴:元の地形に土を盛って造成された宅地

リスク:盛土部分の転圧不足により不均等な沈下が起こる可能性

切土・盛土混在地

特徴:斜面を切り崩した部分と盛土部分が混在する造成地

リスク:地盤の強度差により境界部分で傾きが発生しやすい

「参照:国土交通省」

内覧時にできる家の傾きセルフチェック方法

専門機器がなくても、内覧時に簡単な道具で家の傾きをチェックできます。以下の方法を組み合わせて、複数箇所で確認することが重要です。

ビー玉やボールを使った確認

最も手軽な方法が、ビー玉やピンポン玉を床に置いて転がり方を確認する方法です。平らな床であれば転がりませんが、傾きがあると一定方向に転がります。リビング、各部屋、廊下など複数箇所で試してください。ただし、床材の凹凸や建具の開閉による微妙な床の変形もあるため、この方法だけでは判断せず、他の方法と併用することをおすすめします。

スマートフォンの水準器アプリ

スマートフォンの水準器アプリを使えば、床の傾斜角度を数値で確認できます。床の複数箇所にスマートフォンを置き、角度を測定します。測定は、東西南北の4方向で行うと、傾きの方向と程度がわかりやすくなります。アプリによって精度が異なるため、複数のアプリで確認するとより確実です。

建具の開閉と隙間の確認

ドアや窓の開閉がスムーズでない、勝手に開閉する、建具枠と扉の間に不自然な隙間があるなどは、家の傾きのサインです。全ての部屋のドアや引き戸、窓を実際に開閉して確認しましょう。特に、複数の建具で同じ方向に異常が見られる場合は、建物全体が傾いている可能性があります。

壁や天井のクラック確認

壁や天井にひび割れ(クラック)がある場合、特に斜め方向や階段状のクラックは構造的な問題を示している可能性があります。髪の毛程度の細いひびは経年によるものが多いですが、1mm以上の幅があるクラックや、建物の角から放射状に広がるクラックは要注意です。

内覧時の持ち物リスト

・スマートフォン(水準器アプリをインストール)

・ビー玉またはピンポン玉

・メジャー(床面積や天井高の確認用)

・メモ帳とカメラ(気になる箇所の記録用)

・懐中電灯(床下や天井裏の確認用)

傾きの許容範囲と危険度の判断基準

住宅の傾きには、許容範囲と危険度を判断する基準があります。国土交通省の指針や建築基準法に基づいた判断基準を理解しておきましょう。

傾斜角度による危険度分類

住宅の傾きは、1000分の1という単位で表されます。これは、1メートルあたり何ミリ傾いているかを示す値です。国土交通省の「既存住宅状況調査方法基準」では、3/1000(6畳間で約1.5cm)を超える傾斜がある場合、劣化事象として報告されます。

傾斜角度
6畳間での高低差
危険度
状態と対応
3/1000未満
約1.5cm未満
許容範囲
体感ではほとんど気づかないレベル。経過観察で可
3/1000~6/1000
約1.5cm~3cm
要注意
傾きを感じ始める。専門業者による詳細調査推奨
6/1000以上
約3cm以上
危険
明らかに傾きを体感。修正工事の検討が必要

「参照:国土交通省」

体感による判断目安

3/1000程度の傾きではほとんど体感できませんが、6/1000を超えると、部屋にいて違和感を覚えることが多くなります。10/1000を超えると、めまいや吐き気を感じる人も出てきます。内覧時に「なんとなく気持ち悪い」「長時間いると疲れる」と感じた場合は、傾きの可能性を疑ってください。

家の傾きが及ぼす影響とリスク

家の傾きを放置すると、建物だけでなく住む人の健康にも悪影響を及ぼします。購入判断の材料として、具体的なリスクを把握しておきましょう。

構造的なリスク

傾きが進行すると、柱や梁に過度な負担がかかり、構造材の損傷や接合部の緩みが発生します。また、外壁や基礎にクラックが広がり、雨水の浸入による木部の腐朽やシロアリ被害のリスクも高まります。地震時には、本来の耐震性能が発揮されず、倒壊の危険性が増大します。

健康への影響

傾斜のある住宅で生活を続けると、平衡感覚に影響が出て、めまいや頭痛、肩こり、不眠などの症状が現れることがあります。特に高齢者や小さな子どもは影響を受けやすく、転倒事故のリスクも高まります。「シックハウス症候群」とは異なりますが、住環境が健康を害する点では同様の問題です。

資産価値への影響

傾きのある住宅は、将来売却する際に大幅な価値下落が避けられません。修正履歴があっても、告知義務の対象となり、買い手がつきにくくなります。住宅ローンの担保評価も下がるため、借入額に影響が出ることもあります。

傾きが見つかった場合の対処法と費用相場

内覧時に傾きの兆候が見つかった場合、購入前にどう対処すべきか、また修正する場合の費用を把握しておくことが重要です。

購入前の対応ステップ

まず、売主に対して傾きの事実を確認し、専門業者による精密調査の実施を依頼しましょう。調査結果に基づいて、売買価格の減額交渉や、修正工事を条件とした契約など、交渉の余地があります。重大な傾きが判明した場合は、購入を見送る選択肢も検討すべきです。

地盤沈下修正工事の方法と費用

地盤沈下による傾きの修正工事には、主に耐圧版工法、アンダーピニング工法、薬液注入工法などがあります。工法選定は、地盤状況、建物規模、傾きの程度によって異なります。

工法
概要
費用相場(30坪の場合)
工期
耐圧版工法
建物をジャッキアップし、基礎下に耐圧版を構築する
250万円~400万円
2~3週間
アンダーピニング工法
建物下に鋼管杭を圧入して支持層まで到達させる
300万円~500万円
3~4週間
薬液注入工法
地盤に薬液を注入して地盤を固化・改良する
200万円~350万円
1~2週間
免震工法(SP免震基礎)
修正と同時に免震性能を付加する工法
400万円~600万円
4~6週間

※費用は建物規模、傾きの程度、地盤状況により変動します。別途、仮住まい費用や家財の移動費用が必要になる場合があります。

補助金・保険の活用

一部の自治体では、住宅の耐震改修工事と併せて地盤補強工事に補助金を出している場合があります。滋賀県内でも市町村によって制度が異なるため、お住まいの地域の役所に確認することをおすすめします。また、地震保険に加入している場合、地震による地盤沈下は補償対象となる可能性があります。

専門業者による精密調査のポイント

セルフチェックで傾きの疑いがある場合、購入前に専門業者による精密調査を実施することが重要です。調査内容と選ぶべき業者のポイントを解説します。

精密調査の内容

専門業者による調査では、レーザーレベルやデジタル傾斜計を使用して、0.1mm単位で建物の傾斜を測定します。また、床下や基礎の状態、地盤の支持力なども併せて調査します。調査結果は報告書として提出され、傾きの数値、原因の推定、修正工事の必要性と概算費用などが記載されます。

調査費用の相場

精密調査の費用は、一般的な木造住宅で5万円~10万円程度です。調査項目を追加する場合は、追加費用が発生します。高額に感じるかもしれませんが、数百万円の修正工事が必要になるリスクを考えれば、購入前の必要経費と考えるべきです。

信頼できる業者の選び方

地盤沈下修正工事は専門性の高い分野です。業者を選ぶ際は、建設業許可(土木工事業)を取得しているか、地盤工事の実績が豊富か、保証制度が整っているかを確認しましょう。また、調査と工事を一貫して行える業者は、責任の所在が明確で安心です。地域の地盤特性を熟知している地元業者を選ぶことも重要なポイントです。

業者選定時のチェック項目

✓ 建設業許可(土木工事業)の有無

✓ 地盤沈下修正工事の施工実績(件数と年数)

✓ 使用する工法の種類と技術力

✓ 工事後の保証内容と期間

✓ 調査報告書のサンプル提示の可否

✓ 地域の地盤特性に関する知識

まとめ

中古住宅購入時の家の傾きチェックは、将来の安全と資産価値を守るために欠かせません。内覧時には、ビー玉やスマートフォンアプリを使ったセルフチェック、建具の開閉確認、壁や天井のクラック確認など、複数の方法を組み合わせて確認しましょう。3/1000を超える傾きが疑われる場合は、必ず専門業者による精密調査を実施してください。

傾きが見つかった場合でも、適切な修正工事により安全性を回復できる可能性があります。購入前に調査・修正費用を含めた総額を把握し、売主との交渉材料にすることが重要です。滋賀県甲賀市を拠点に近畿圏で地盤沈下修正工事の実績を持つ山口土木では、無料相談を受け付けています。中古住宅購入前の不安や疑問があれば、お気軽にご相談ください。

お問い合わせページ

住宅基礎工事・SP免震基礎工法は滋賀県甲賀市の山口土木|求人
山口土木
〒520-3401 滋賀県甲賀市甲賀町岩室1464
TEL:090-2284-8003【営業電話お断り】

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